大判例

20世紀の現憲法下の裁判例を掲載しています。

大阪地方裁判所 昭和27年(ワ)3085号 判決

以下は、判例タイムズに掲載された記事をそのまま収録しています。オリジナルの判決文ではありません。

〔判決理由〕四、つぎに、所有権にもとづく本件物件引渡請求を判断する。

本件物件について、原告が所有権を有することは、前記認定のとおりである。そして、被告が別表第一記載のとおり各店舗賃借人に本件物件の代理占有をさせて、本件物件を占有(間接占有)していることは、当事者間に争いがない。

ところで、原告は被告に対し、本件物件の「引渡」を求めているが、本件は、本件物件の直接占有者が各店舗賃借人であるため被告が原告に対し現実の引渡をなし得ない場合であるから、右「引渡」とは、「指図による占有移転」を求める趣旨と解するのが相当である(最高昭和三六年二月二八日三小判決、民集一五巻二号三二四頁参照)。

そこで、被告は原告に対し、被告が別表第一記載各店舗賃借人に対して有する各賃借店舗およびその水道ガス電灯設備一切の返還請求権を譲渡する意思表示をなし、かつ、その旨を右各店舗賃借人に通知すべき義務があるというべきである。<中略>

七、よつて、原告の本訴請求は、すべて正当であるから認容し、民訴八九条、一九六条(現実の引渡を命ずる場合との均衡上からも、意思表示および通知を命ずる部分についても、仮執行宣言を付することができると解する。)を適用して主文のとおり判決する。(山内敏彦 平田孝 石井一正)

自由と民主主義を守るため、ウクライナ軍に支援を!